交詠連歌「山之大宮」之卷
(発) 川沿いに咲きををりたり姥桜 (五七五) —— 有筠氏
(脇) 霞の奥に舟を待つ人 (七七) —— 二宮司
(第三) 溯游(そいう)して之に従へ中島に (五七五) —— 有筠氏
(四) 蘆の火焚きて宴は果てぬ (七七) —— 二宮司
(五) 帰り途幽かに昇り昼の月 (五七五) —— 有筠氏
(六) 蘆笛の音を風に放てり (七七) —— 二宮司
(七) 藍浴衣帯に絆され片思ひ (五七五) —— 有筠氏
(八) 枕をぬらす夢の浮き橋 (七七) —— 二宮司
(九) 巴比崙(バビロン)の宙に浮かぶる蜃気楼 (五七五) —— 有筠氏
(十) 砂に記せし誓ひ果かなく (七七) —— 二宮司
(十一) 花野原駱駝の蹄絹の道 (五七五) —— 有筠氏
(十二) 星を標に眠る夜の露 (七七) —— 二宮司
(十三) 砕葉(スイアブ)の琴掛け柳紅葉咲く (五七五) —— 有筠氏
(十四) 異国の月に詠ふ古里 (七七) —— 二宮司
(十五) 頭挙げ天山の雪日貫きけり (五七五) —— 有筠氏
(十六) 凍てつく影に時も止まれる (七七) —— 二宮司
(十七) 春日出で咲き渡りたり河谷罌粟 (五七五) —— 有筠氏
(十八) 蝶の舞ふ聲夢に聞こゆる (七七) —— 二宮司
(十九) 尻尾振り天馬の牧場瑞々し (五七五) —— 有筠氏
(二十) 蹄の響き市を賑はす (七七) —— 二宮司
(二十一) 胡笳響き胡旋舞踊り胡衣の胡姫 (五七五) —— 有筠氏
(二十二) 琥珀の酒に酔ひを重ねて (七七) —— 二宮司
(二十三) 木鹿(メルヴ)の夜明くるなかれや願わくば (五七五) —— 有筠氏
(二十四) 鳥の音に引く魂の緒よ絶え (七七) —— 二宮司
(二十五) 朝ぼらけ憂曇華散るに血に啼きて (五七五) —— 有筠氏
(二十六) 誰が身を焼きし篝火の跡 (七七) —— 二宮司
(二十七) 焙られて磔けられて刎ねられて (五七五) —— 有筠氏
(二十八) 白き光に召さる御空よ (七七) —— 二宮司
(二十九) 高附(カーブル)の屋根に煌めく月々に (五七五) —— 有筠氏
(三十) 遠き調べを綴る夜寒に (七七) —— 二宮司
(三十一) 虎落笛風花舞ひて峰(を)も白し (五七五) —— 有筠氏
(三十二) 炭火熾して待つ春の空 (七七) —— 二宮司
(三十三) 凍てゆるみ河口飛びつき尾白鷲 (五七五) —— 有筠氏
(三十四) 蘆の若芽に煙る朝凪 (七七) —— 二宮司
(三十五) 山之大宮千本に咲く桜 (七五五) —— 有筠氏
(挙) 永久に流るる春のささ波 (七七) —— 二宮司
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